なぜ料金を3つに分けるのか
LPガス(プロパンガス)は自由料金で、料金の内訳が請求書に明示されないことが少なくありませんでした。経済産業省は、消費者に不透明なかたちで、LPガスと関係ない費用などがLPガス料金として上乗せ回収されている現状を是正するため、として問題を認定しています。そこで、料金を基本料金(契約に伴う固定費)・従量料金(使った量に応じた費用)・設備料金(給湯器や配管などの設備にかかる費用)に分けて表示することで、何にいくら払っているかを見える化する——これが三部料金制のねらいです。 根拠は液化石油ガス法施行規則の改正省令(2024年4月2日公布)です。
施行のタイムライン
過大な営業行為の制限・情報提供の開始
不動産業者への無償貸与・無償配管・紹介料などの提供が禁止され、料金等の情報提供が求められるようになりました。
三部料金制の徹底
基本料金・従量料金・設備料金を外出しで表示するルールが本格化。エアコンやWi-Fiなどガスと無関係な費用の計上が禁止されました(施行規則第16条第15号の8)。賃貸では消費設備の費用も計上が禁止されます(同第15号の9)。
条番号はいずれも液化石油ガス法施行規則によります。
努力義務ではなく、罰則のある規制
三部料金制は、守らなくてもよい努力義務ではなく、罰則をともなう規制です。違反があれば改善命令の対象となり、従わない場合は登録の取消しや罰金につながり得ます。ただし、既存の契約では費用の計上そのものが禁止されるわけではなく、求められるのは「外出し表示」です(改正附則第2条)。そのため透明化は段階的に進むことになり、内訳の見えにくさは長期的な課題として残ります。
CHECK
また、賃貸住宅の料金開示が義務づけられるのは入居希望者から直接要請があった場合に限られます (規則第16条第15号の2、罰則は上限30万円以下)。 契約前の事前提示や不動産業者を経由した開示は努力義務にとどまる点には注意が必要です。
検針票で確認したいこと
手元の検針票で、まず「設備料金」が基本料金・従量料金と分けて記載されているかを確認しましょう。分かれていれば、設備にいくら払っているかが把握できます。あわせて、エアコンやWi-Fiなどガスと無関係な費用が混ざっていないかも見ておくと安心です。内訳が分かれていない、あるいは身に覚えのない費用が含まれている場合は、契約しているガス会社に内訳の説明を求めるのが確実です。
